しょう 翔
創画会春展春季展賞・両洋の眼展河北倫明賞・金閣寺客殿天井画
彩美版®シルクスクリーン手摺り・軸装
限定300部
版元シール
画寸(縦x横):
45.4 x 52.8 cm
額.軸寸(縦x横):
141.0 x 73.5 cm
作品状態:良好
- 販売中
作品概要
昇りくる日輪を背景に、大空を飛翔する群鶴の雄姿、眼下には伝統的な青海波に動勢を加えた逆巻く波濤、広い空間を埋め尽くす金箔の輝き——象徴的な空間構成に、江戸時代の琳派が得意とした装飾性を鏤めた吉祥尽くしの華麗な秀作である。伝統は快い揺籠である。どの国の画家もまずは揺籠で育つ。同じ血を持つ先人たちが磨き上げた籠なら、居心地の悪いはずはない。しかし、いつかは巣立たねばならない。片足を籠に残すか、両足で踏み出すか、決断の時が来る。揺籠から見た景色は、遠いほど美しく輝いて見える。多くの画家が虹の彼方を目指して羽ばたいて行く。
いま日本の伝統美の森の中で、キラキラ光っている石踊達哉さんも、パリの空へ夢を託して飛び立った一人である。美術の大陸に林立する巨木に圧倒されながらも、人体の美を追求し、パリにアトリエを構えるまでに至った。
画家自身の言葉によれば「人物を中心にした作品を描きながら二十年間もの苦悩の挑戦は続いた」が、異国での時間が長くなるほど、日本画の持つ装飾性、象徴性に惹かれていく自分を発見する。石踊さんの日本美回帰が始まった。だが、この回り道で得たものは大きかった。滞欧中に研ぎ澄まされた強固な構築性や透徹する装飾美は、瀬戸内寂聴の『源氏物語』という大舞台を得て一気に開花し、その地歩を揺るぎないものにした。
この「翔」は、平成の琳派と言われる石踊芸術の特色が遺憾なく発揮された作品である。
彩美版とは?
画材の質感と豊かな色調を再現するために生み出された新時代の画期的な技法です。彩美版®の特徴は最新のデジタル加工処理技術と高精度プリントにより、作品のもつ豊かな色彩や筆使い、原画の持つ芸術的鼓動までも再現しています。その完成度の高さから最近では版画のカテゴリーとして認識されています。
トーキョウアートでは版画としてカテゴリー検索されます。
石踊 達哉1945年(昭和20年)~
経歴
1945年 旧満州に生まれる(現中国東北部)
1970年 東京藝術大学大学院修了
1975年 春季創画展に出品(76年春季展賞受賞)
1977年 山種美術館賞展に出品(同79年)
1990年 両洋の眼展に出品。(以降2009年まで連続出品)
1991年 現代日本絵画展に出品(北京・故宮博物院)
1995年 日伊文化アカデミアの展覧会に出品(イタリア・スペロ)
1996年 瀬戸内寂聴現代語訳「源氏物語」全十巻(講談社)全五十四帖の装幀画を担当
1998年 瀬戸内寂聴と「源氏物語」展に描き下ろし装幀画原画を出品(高島屋東京店他。「源氏物語絵詞」絵:石踊達哉×詞:瀬戸内寂聴 を出版(講談社)。「石踊達哉画集」を出版(講談社)
1999年 増上寺天井絵展に出品(日本橋三越店他)バラを謳う日本画・洋画百人展(高島屋東京店)
2000年 Les Mille Lunes du Prince Genji 石踊達哉展(フランス パリ・三越エトワール)
2001年 Contes d’ici et de l’au-delà展にパリ・ギメ美術館所蔵源氏絵などと「石踊源氏絵」5点を展示(フランス ニース・アジア美術館/アルプ・マリチム県立美術館)。パリ・ニース帰国記念展。石踊達哉の視線古典と未来がつながる瞬間(日本橋三越本店、三越福岡店)
2002年 松本市美術館開館記念特別展 山笑ふ 岳都からの美的好奇心(松本市美術館)。薬師寺展に散華を出品(日本橋三越本店他)。伝統の秘める前衛 石踊達哉展(韓国・国立現代美術館)。特別展「日本のかたち―文様―」(三重・ 式年遷宮記念神宮美術館)
2004年 石踊達哉「屏風の世界」展(日本橋三越本店、大丸京都店、三越名古屋栄店)
2007年 色彩の雲水よ永遠に 鹿児島が生んだ日本画家 石踊達哉展(鹿児島・鹿児島市立美術館)。石踊達哉展 華麗なる色彩の舞―(群馬・高崎市タワー美術館)。金閣寺方丈杉戸及び客殿格天井画を制作(京都・金閣寺)。高島屋美術部創立百年―時空を越えて―石踊達哉展(高島屋東京店他6会場)
2008年 特別展 火―歌会始御題によせて―に出品(伊勢・式年遷宮記念神宮美術館)
2009年 回向院市川別院本堂 阿弥陀三尊仏後壁画 「青海波」を制作
2010年 三十三間堂本坊妙法院門跡 普賢堂普賢延命菩薩像仏後壁画。「清浄蓮華」を制作。「趣味の園芸」(NHK出版)に「源氏物語の花々」文・瀬戸内寂聴×絵・石踊達哉連載開始(全19回)
2011年 三十三間堂本坊妙法院門跡 瑞龍殿障壁画 32面を制作。三十三間堂本坊妙法院門跡 障壁画完成記念 石踊達哉展(日本橋三越本店他3会場)
2013年 両国回向院念仏堂 格天井画40点を制作
2014年 「3・11以降」時空を超えて― 石踊達哉展at相国寺承天閣美術館(京都・相国寺承天閣美術館)。バカラ創設250周年記念特別企画として「青海波」の花器、グラス数点を制作
2015年 ―琳派創生400年― 東洋と西洋、両洋の眼で織りなす花鳥諷詠 石踊達哉展(東武百貨店池袋店)瀬戸内寂聴展〜これからを生きるあなたへ〜に石踊源氏絵10点を出品 (長崎県美術館)。「吉祥図」展(高島屋東京店他)
2016年 THE WORK OF TATSUYA ISHIODORI 石踊達哉全仕事 全4巻(求龍堂)。芸術際十月大歌舞伎の筋書を担当(歌舞伎座)
2017年 画集・石踊達哉全仕事 全4巻 配本完結記念。石踊達哉展(日本橋三越本店・名古屋栄三越)
2019年 阿弥陀如来立像 大幅軸奉納(両国・回向院)
現 在 日本美術家連盟会員